ペン画
1本のペンと黒の単色で描かれたペン画です。「墨に五彩あり」という言葉を念頭に描いています。墨の色は黒だけだと思われるかもしれませんが、実は黒味を帯びた中に茶色や青、紫など様々な色が見え隠れします。この墨の色を墨色と言います。昔の人はそれを墨に五彩ありと言いました。一説には、墨の濃薄だけで表現する事で、描いた人の思いや見る人の気持でいろいろな色に変化する事と言われています。線描と点描を重ねグラデーションを作り上げることで、見る人の眼差しが内面深くに向かうような作品作りを目指しています。地味で時間のかかる技法ですが、同じものは二度と作れない緊張感が画面から伝われば幸いです。
銀筆
銀筆は、ルネサンス以前から用いられていた描画技法です。現在では廃れてしまいましたが、純銀を鉛筆のようにして使ったもので、灰色の筆跡が経時変化によって褐色がかるのが特徴です。濃淡の表現が難しく、一度描くと消すことができませんが、耐久性が高く、半永久的に描線を見続けられるのも魅力の一つです。
ガラス絵
この技法は、ガラスを少し持ち上げ、光を透過しながら彩色します。左右や描く手順が通常の描き方とは逆になるうえ、後から描き直しができないため制作は難しいですが、絵具が直接空気に触れないことから汚れることなく画面が保たれます。また、絵の表面が平滑で光が乱反射しないため、いつでも潤いある発色が保たれます。
ペン画や銀筆画と比較すると、同じ作家が作ったのかと疑問に思われるほどカラフルな作品です。
鉛筆画
鉛筆や色鉛筆で描かれた作品です。特別な画材ではなく、幼稚園や小学校から見たことのある身近で親しみのある画材を使用し、思い出を振り返りながら細密描写で描いています。鉛筆のみで描かれた作品では、筆圧や様々な種類の芯の硬さの鉛筆を使い、濃淡を表現しています。